にじいろふうせん

バルーンアート活動のいろいろを書いています。

演出ワークショップを受けて

劇団 HMP Theater Companyの演出家・笠井友仁さんに学ぶ、演出家体験ワークショップがありました。

参加枠たったの10名、応募者多数の場合は応募動機をもとに選考抽選とのことでしたが、それが狭き門なのかそれほど応募者はいないものなのか想像もできず。
とはいえ、選考がかかったときには選んでもらえるよう、学んだことをこう生かしていきたいという想いはしっかり込めて応募しました。

最終的に応募総数30名前後の中、無事、選ばれて受講‼️

蓋を開ければ参加者15名。
チラシをよくよく読んでみたら、コロナの状況次第で人数が変わることもあります、の一文があり、緊急事態宣言は解除されてたからかー、と納得。

演出ワークショップ

ウェブサイト等を見ても

 

“演出のしくみを学び、台本を使った短いシーンの演出を考え、発表を行います”

 

程度にしか書いてなくて、どんなことをやるのかは想像もできなかったんです。

これがなんと、自分達で考えた演出を“現役の役者さん”が演じてくれる、などという、贅沢な内容となってました!

ワーク自体は5人1組のグループになるので、私自身の演出ではなく、みんなで話し合って決めた演出、となります。
プラス、役者さんに伝える際にも

『ここはこうしましょうか?』

『私は、このセリフをこう解釈してました』

なんて、話し合いに加わってくれたので、多少プロの意見も入ったものとなりました。

ご本人は助言のつもりもなかったかもしれませんが、そこで新たな気づきも得られたりして。
学べる瞬間はありとあらゆるところに散らばってる。気を抜いてる場合じゃなかった!

実際に出来上がったものを見たときはやはり、私たちだけの力じゃないことを実感しました。

私自身は演じることにものすごく抵抗があって、克服したくて1年近く受けた演劇ワークショップでも苦手意識はなくなりませんでした。
演じてる人を見てる瞬間にも、ふと現実が垣間見えたときにめちゃくちゃ恥ずかしくなったりするんです。

が、役者さんが、稽古着のままで、舞台でもない場所で、素人の私たちがつけた演出で演じたものなのに、冷めたりしなかった。

世界観を作り出せる人というのは、こうも違うものかと驚き。

笠井さんも言ってましたが、演劇は演出家の作品じゃなく、役者さんのものなんだと。
最終的に板の上に立って表現する人、ですからね。

どなただったか忘れましたが、どうしても演出が気に入らなくて本番だけ自分の好き勝手にやった、なんて役者さんの話も聞いたことあります(笑)
演出家さんの地団駄が聞こえるようだ😁

午後のみ、とは言え二日間通しのワークショップで、チームメンバーを入れ替えることなく進行したのもよかったのかもしれません。

事務局の方などから

『皆さんの成長が感じられた。』

『2日目の方が発言が多かった』

という感想がありました。

演技について

最初は、演技って何だろう?、演出って何だろう?、と私たちに問い考えさせるところからはじまり(上記写真。ブレインストーミングみたいな感じ)それを受けて笠井さんなりの解説が入り、

実際演出をしてみる

次はここに気をつけてやってみて、と説明が入る

さらにこんなことも、と説明

と順を追った流れで説明してくださった笠井先生の力量がすごい、ということもあると思います。

2日目なんて、マズローの承認欲求やら世阿弥の話まで出てきて、同じチームの人と

『めっちゃ頭いい人なんだろうねー』

なんて話してました(笑)

マズロー、知ってたけど、一番下が生理的欲求、しか覚えてなかった(~_~;)
他の段階の言葉は出てきても何番目かわからん、とか、いかにいい加減に本読んでたかと反省するわ…

工業高校卒のおバカ(←私)はこんなとき、コンプレックス感じちゃうわけですよ。いいなー、大卒。

最後の最後、焦点を一つに絞ることを教えてもらったあとの発表では、3チーム中私たちのチームだけが狙い通りの演出ができたといっていただけました!

テルやんさんと話してる時もしょっちゅう出てくる引き算の大切さ。
常日頃から意識できてたお陰でしょうか。

全部見せ切ってしまうと情報量が多くなりすぎる。
余白を作って想像をかきたてることが大事。

同じチームの皆さんもそれぞれ、ご自身の活動の中で演出を必要とする場面があるとのことだったので、偶然、経験者が集まったのも強みだったのかも。

最後は、同じ台本の同じシーンを、笠井さんご自身が演出したものを少しだけ見せていただきました。

実際の舞台は今月上旬に上演されたもの。
私がアンテナ立てずに過ごしてて気付くのが遅かったのが悪いんだけど💦、確か暇してた日だったから観に行きたかったなー。

でも、先に見てたら笠井さんはこうしてたからこうすべき!みたいな凝り固まり方をしてたかもしれないし。うむむ、ビミョウ。

結局は何を一番見せたいか、という望むゴールによって道が変わるので、正解は1つじゃないんです。
絶対なんて言葉は絶対ない、なんて、哲学みたいなこと言いたくなるわ(笑)

受講生の発表を受けて笠井さんが感想をいう時も、いい点を見つけて伝えてくれることがメイン。
ここがダメ、という言い方は一切なくて、今日はこういう方向を目指して欲しかった、という感じでした。

たとえワークショップで目指したゴールと違ってても、自分の目指した頂点に辿り着けてたらそれが正解。

今はまだ脳から煙が出てる感じですが(笑)この二日間で学んだことを今後のパフォーマンスに生かしていきたいと思います。