子どもの頃は漫画家になりたいとか言っちゃって、絵を描くのが好きでした。
だんだんと才能がないことに気づいて、それならと小説で創作を続けたものの、こちらもやっぱり才能のなさに打ちのめされて終わり。
インターネット普及の波に乗って紙とペンから遠ざかると、絵を描くことそのものへの興味を自分の中に押し込んでいくようになりました。
だって、あなたには才能がないのよ、ってね。
多くの大人がそうだと思うんです。
この本は、そんな“画力がない”と思ってる人に、ラクガキを楽しみませんか?と提案してくれる本です。落書きではなく、楽書き。
楽しんで書く、ラクガキ。
ただ楽しもう、というのではなく“ラクガキで伝える”ことが核になっています。
海外旅行をして日本語を話す人以外とのコミュニケーションをとるために現地の言葉を学ぶのと似たようなもので、ラクガキを覚えるということは自分の表現手法を増やすということなのです。
その点において、ラクガキには正しい文法も難しい発音もいりません。もともと幼い頃に慣れ親しんでいたものです。ペンと紙さえあればどこでもできて、お金もかかりません。
誰でも簡単に身につけやすい、お得なツールだと思うのです。〜54ページより
言葉だけでは伝わらないこともあります。
メラビアンの法則にあるように、受け手の理解は視覚情報が半分以上。
絵や写真、図形もあって、初めて伝わることもある。
せっかくたくさん本が読めるようになったのに、その内容をなかなか覚えてられない。
ならば、とメモを取りながら読むようにしたけど、そのメモを読み返さない。
せめてブログなら読み返すかも、と読書感想文を書くようにしてるんですけどね。
この本のおかげで、見返すために必要だったのはラクガキを入れることなんだ、と気付きました。
ラクガキ、と言っても、絵を描くだけがラクガキではありません。
人物や物の具体的な描き方ももちろんあるんですが、矢印や文字、記号、線、図も立派なラクガキ。
使い方次第で見やすいノートは書けるんだよ、と教えてくれます。
あと、無地か方眼のノートをすすめてました。
罫線のあるノートだと、どうしても文字を詰めて書いてしまうから、なんだそうです。余白、大事。
こっちの実践編の方がフルカラーでサイズも大きくて、よりラクガキの楽しさが伝わってきます。
著者が実際書いたセミナーやインタビューのメモが紹介されてるんですが、文字にも絵にも周りに白があって読みやすい、と分かる。
囲みや吹き出し、色を使ってメリハリも付いてて、読むためのリズムを感じるんです。
私のノートはといえば、罫線に沿ってギッシリ詰め込まれた文字の羅列。
書いてるときはアレもコレも重要!とひたすら書くけど、読み返さないんじゃ意味がない。
いかに『今の自分が書き留めたいこと』にしかフォーカスしてないかがわかりますね😅
未来の私だけじゃなく、誰かに“伝える”ことが意識できたら、書き方を変えられそう。
本の中の“伝える”という内容が一番響いたのであえて触れませんでしたが、実践編のタイトルにもあるように、アイデア出しにも特化しています。
私にとっては、新しい作品考えるときに使える❗️と思った内容です。
今すぐできるテクニック満載の本でした。